お知らせNews

『ザ・コンテンポラリー』第23回テーマ<「第九」の真髄を楽しむ聴き方!>講座vol.2に向けての参考情報〜協奏曲風ソナタ形式〜

カテゴリーザ・コンテンポラリー, 番組情報

新番組「松尾祐孝 ザ・コンテンポラリー」のプレゼンター、松尾祐孝(マツオ マサタカ)です。
毎週金曜日の18:00〜19:00にお耳にかかります。どうぞよろしくお願いします。 

先週の金曜日(12月5日)第22回と今週の金曜日(12月12日)第23回の2回連続シリーズで、テーマ<「第九」の真髄を楽しむ聴き方!>講座 vol.1 & vol.2 としています。次回の vol.2 では「第九」の第4楽章、あの有名な声楽(独唱&合唱)を導入した崇高で長大な楽章を探訪します。

番組中の解説の中で、”協奏曲風ソナタ形式”というキーワードが出てきます。番組内では時間が限られていますので、この形式を十分な時間をかけて理解していただくことができません。そこで、お時間の許す方は、この記事とリンクしておく参考動画の視聴によって、”協奏曲風ソナタ形式”の理解の下地を作っておくことをお勧めします。

ベートーヴェンは、古典派の時代に確立した協奏曲風ソナタ形式の独奏の扱いに準じて、

声楽を扱うことを考えたと私は推察しています。協奏曲風ソナタ形式とは、古典派の頃の協奏曲の第1楽章に活用された構成法です。まずオーケストラのみによる提示部が演奏された後に、独奏楽器が登場して改めて独奏入りの提示部が置かれるところに特徴があります。そして、展開部から再現部へと進み、即興的に独奏者が技巧と芸術性を披露するカデンツァを経て楽章を閉じます。

「第九」の第4楽章では、声楽(独唱や合唱)を協奏曲の独奏者に見立てて、オーケストラのみによる序奏と”歓喜の歌”の提示、そして独唱と合唱を導入した序奏と”歓喜の歌”、という構成によって楽章が開始されています。これが協奏曲風ソナタ形式の応用と考えられるのです。

参考資料として、ベートーヴェン作曲/ピアノ協奏曲第3番 変ホ長調 作品37 の名演奏の動画をリンクしておきましょう。長大な第1楽章が、協奏曲風ソナタ形式になっていることがお分かりいただけると思います。

演奏:クリスティアン・ツィメルマン(ピアノ)/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

指揮:レナード・バーンスタイン

下の写真はこの動画と同じ組み合わせの演奏者によるCDです。名盤です。

ドイツ・グラモフォン / POCG-1664

では、今度の金曜日(12月12日)18時にまたお会いしましょう。