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8月21日(木)18:00 「上方クラシック倶楽部」#11 関西クラシックシーンの「今とこれから」を世界に発信!大阪中之島美術館 菅谷富夫館長をお迎えして印象派の美術と音楽のお話しを!

カテゴリー上方クラシック倶楽部, 番組情報

クラシック音楽においては東京以上の歴史と伝統を持ち、時代を代表する音楽家、作曲家を
数多く輩出、音響/設備の良いホールや瀟洒なサロンが点在する関西の音楽界。
しかし、昨今のメディアの東京偏重の弊害で、その魅力、情報が全国に
伝わりにくいのが現状です。そこに一石を投じ、関西の音楽シーンの「推し」を
国内外に広く紹介するレギュラープログラムが「上方クラシック俱楽部」。                                         
                                                             
関西のクラシック界の新しい情報、おすすめの音楽家や演奏会、コンサート・ホールや サロンを、
ゲストも交えながら、毎月1回のペースでお届けします。                                       
                                                    

プレゼンターの崎本哲生さんはクラブ関西の専務理事にして、アマチュアオーケストラで
コンサートマスターを歴任したヴァイオリン奏者、音楽愛好家。                                                                                                                  

                                                           
8月のゲストは、大阪中之島美術館の館長 菅谷富夫さんです。
                                                            

                                                           
2022年開館の新しい美術館「大阪中之島美術館」では
ミニコンサートなども積極的に開催され
”美術と音楽が交差する空間”として人気の美術館です。                                    
                                                         
今回は1870年代にモネの一枚の絵に端を発し
音楽界も巻き込んで大きな潮流となった「印象主義」のお話を中心に                           
たっぷりと伺うことが出来ました。                                           
                                                          
お楽しみください。                                                
                                                          

                                                         

                                                   

《楽曲》                                                        
                                                             
1、ドビュッシー:交響詩「海」~Ⅱ.波の戯れ                                                                                                              

2,フォーレ:シチリアーナ Op.78

3,サティ:ジムノペディ第3番                                           

4,ドビュッシー:ベルガマスク組曲~Ⅰ.前奏曲(ハープ版)                                 

5,サン=サーンス:クラリネット・ソナタ~第2楽章
                                                                                                  
                                                                

                                                             
《ゲストプロフィール》                                               
                                                           

菅谷富夫 (Tomio Sugaya) 大阪中之島美術館 館長

1958年生まれ。明治大学大学院文学科博士課程前期修了。
編集者を経て1990年滋賀県陶芸の森学芸員。1990年より大阪市立近代美術館建設準備室学芸員。
2019年12月より大阪中之島美術館館長。同館は2022年2月に開館し、現在に至る。
準備室勤務当時より、同美術館の計画づくり、コレクション形成に関わるとともに
コレクション展、企画展等も行う。
またその一方で、近代デザイン、写真、現代美術の分野で評論活動も行う。

《プレゼンター・プロフィール》
                                                   

崎本哲生(Tetsuo Sakimoto) 音楽愛好家 

1956年、大阪府生まれの倉敷育ち。
ヴァイオリンを始めたのが3歳、挫折したのが6歳。再び目覚めたのが13歳。
その後、同志社交響楽団、宝塚市交響楽団などのコンサートマスターを歴任。
2011年より現在までヴァイオリンを馬渕清香氏に師事。
2018年京阪ホールディングス株式会社を定年退職。
2016年~2023年まで東京大学未来ビジョン研究センター客員研究員。
2024年6月、「クリエイティブジャパン戦略」(白桃書房)を共著で出版。
その中で「アートは未来創造のキーワードとなるか」をテーマとした論考を寄稿。                      
現在、一般社団法人クラブ関西専務理事。                                      
                                                        
《プレゼンターからのメッセージ》                                        
                                                                    
 最近、ふと考えたんです。
「感心する演奏」と「感動する演奏」って、何が違うんだろう?って。
どちらも素晴らしい体験だけど、感心は“頭”で理解すること。しかし、感動はもっと深いところ――
潜在意識にふれる何かがあるような気がします。

この頃ハマっているのが、ボロディンの弦楽四重奏曲第2番の第1楽章。
あの旋律に身をゆだねていると、まるで大草原に抱かれているような、
すべてが許されるような感覚になります。

うまく言葉にできないけれど、心の奥から何かがふわっと湧いてくる。
ああ、これが“感動”なのかも…って思うんです。

音楽って不思議ですね。

同じ風景を見ても、どんな音楽を聴いているかで、感じ方がまるで変わってくる。
つまり音楽は、私たちの潜在意識にある「フィルター」をすっとすり替えてくれるものなのかな?と。

たとえばエルガーの《威風堂々》を聴けば、心がしゃんとして、少し勇気が湧いてくる。
逆にラフマニノフの《ヴォカリーズ》を聴くと、胸の奥からやさしさや切なさが
静かに立ち上ってくる…。

こうした音楽体験を、丁寧に言葉にしてみると、ただの「感想」じゃなくなるんですよね。

感想が感想を呼び、誰かの心にふっと灯りをともすような、
そんな小さなつながりが生まれることもあるのではないかと。

音楽と言葉。

どちらも、目には見えないけれど、心の風景を分かち合うための大切な手段なんだな、
と改めて感じています。

そしてきっと、本当に大切なことは、いつも“言葉を超えたところ”にある
――そんな気がしています。